Afro-Cuban / Kenny Dorham

熱い熱いアフロキューバンのリズムが体感できるケニー・ドーハムの熱い熱いアルバムです


Afro-Cuban (Rudy Van Gelder Edition)

1980年代、イギリスで ”クラブジャズ”なるものが流行りました。

今までジャズといえばライブにしろレコードにしろじっと聴く芸術でした。しかしジャズで踊ろうというムーブメントが起こります。それがクラブジャズ。その後その流れがアシッド・ジャズへとつながっていきます。

この動きにブルーノート・レコードが乗っかったこともあり。50年代・60年代のジャズが新しく息を吹き返します。その英国のクラブジャズの世界で真っ先に取り上げられたのがこのケニー・ドーハムの ” アフロ・キューバン”でありとりわけ1曲目のAfrodisiaです。

まさに踊りたくなるというかじっとしていられない、体が自然と動いてしまう。そんな曲ですね。

 

アフロ・キューバンとはキューバの音楽です。

今ではサルサなどキューバ音楽はメジャーな音楽ですが当時はそうではありませんでした。しかしディジー・ガレスビーらがキューバ音楽とジャズを融合した音楽を演奏し始めたのをきっかけにアフロ・キューバン・ジャズが爆発的に流行します。

ちなみにアフロというのはアフリカ色が強いという意味です。

キューバ音楽は元々キューバに住んでいた原住民とヨーロッパからやって来てキューバを征服したスペイン人と奴隷として連れてこられたアフリカ人との3種類の血が混じって出来上がった音楽です。

そんなキューバ音楽の中でも特にアフリカ色が強い音楽をアフロキューバンといいます。

アフリカはリズムの宝庫です。さまざまな太鼓や打楽器を操ってさまざまなリズムを創造します。まさに魂のリズムといいますか熱いリズムですね。アフリカ色が強いということはそういう熱いリズムを全面に出した音楽ということです。

50年代・60年代のジャズミュージシャンの大半は黒人でしたから、みんなこのアフロキューバンの音楽に血が騒いだのではないかと思います。

 

このアルバムが録音された1955年はアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズが結成されてまもなくの頃です。

このアルバムのリーダであるケニー・ドーハムはそのメンバーでした。そしてザ・ジャズ・メッセンジャーズのリーダーであるドラムのアート・ブレイキーとピアニストで音楽監督でもあったのホーレス・シルバーとそしてやはりメッセンジャーズのメンバーであったテナー・サックスのハンク・モブレーもこのアルバムに参加しています。

というかこのアルバムはほとんどアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバムといっても過言ではないでしょう。おそらくアート・ブレイキーがすべてを仕切っていたんじゃないかなと思います。勝手な推測ですけど、遠くはずれてはいないと思います。

 

全8曲(9曲目はオルタネイト)の内の7曲がケニー・ドーハムのオリジナルで4曲目のBasheer's Dreamだけがジジ・クライスの曲です。

1曲目から4曲目はラテン・テイストの曲で5曲目から8曲目はジャズです。

アナログLPの時にはA面がラテンでB面がジャズという分け方でした。

 

どの曲も素晴らしいですが特にやはり1曲目のAfrodisiaが1番でしょうか。

ラテンのリズムとジャズのリズムが交互に出てくる構成が興奮を煽ります。

ケニー・ドーハム(Tp) 〜 ハンク・モブレー(T.Sax) 〜 ジェイ・ジェイ・ジョンソン(T.b)のクールなアドリブソロも完璧です。

前面に出てくるコンガが超かっこいいし最後のカルロス・バルデス(Conga)とアート・ブレーキー(Drum)の掛け合いも手に汗にぎります。

 

まさにこのアルバムは元気の出る至極のジャズ名盤の一枚といえるでしょう。

 

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曲目

1. Afrodisia
2. Lotus Flower
3. Minor's Holiday
4. Basheer's Dream
5. K.D.'s Motion
6. La Villa
7. Venita's Dance
8. Echo Of Spring (AKA K.D.'s Cab Ride)
9. Minor's Holiday (Alternate Take)

 

[ Recording 1955 Blue Note ]

Kenny Dorham (Trumpet )

Hank Mobley (T. Sax )

J.J. Johnson (Trombone )(track 1 ~ 4, 9)

Cecil Payne (B. Sax )

Horace Silver (Piano )

Oscar Pettiford  (Bass) (track 1 ~ 4, 9)

Percy Heath  (Bass) (track 5 ~ 8)

Art Blakey (Drum )

Carlos "Patato" Valdes (Congas ) (track 1 ~ 4, 9)

Richie Goldberg  (Cowbell ) (track 1 ~ 4, 9)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!