WAY OUT WEST/Sonny Rollins

西部で初顔合わせした3人が驚くほど新鮮で濃密な演奏を繰り広げるソニー・ロリンズ25歳の時のアルバム


ウェイ・アウト・ウエスト+3

あまり知られてない話かもしれませんが、最初の結婚が破局を迎えたソニー・ロリンズ(T.Sax)は莫大な慰謝料のためお金が必要になり、ありとあらゆるレコード会社に手当たり次第レコーディングしたそうです。その中の1枚がこの「WAY OUT WEST」だそうです。

レコーディングの話が進む中、当時マックス・ローチクインテットとしてツアーが決まっていた西海岸での空き時間に録音することになりました。

コンテンポラリー・レコードはソニー・ロリンズの希望通り、ピアノレスのメンバーをセッティングしました。

場所はカリフォルニア州ロサンゼルスにあるコンテンポラリー・スタジオです。

メンバーは当時オスカー・ピーターソン・トリオでロサンゼルスに来ていたベースのレイ・ブラウンと、ロサンゼルス在住のドラマーのシェリー・マンです。

レコード会社が集めたメンバーでしたのでソニー・ロリンズとは初対面でしたが、2人とも当時のジャズ界ではすでにトップレベルのミュージシャンでした。

 

それぞれの仕事の都合でレコーディングは深夜3時からのスタートだったそうです。

3人は初顔合わせでしたがレコーディングが進むにつれ演奏は盛り上がっていき、疲れを見せずアルバムは仕上げられました。

初顔合わせでこれだけの演奏とは素晴らしいです。

 

ジャケットがまたかっこいいですね。

西海岸ということもあってか西部劇風の写真です。

ソニー・ロリンズはカウボーイさながら荒野に立って拳銃の代わりにサックスを構えています。サボテンや牛の頭蓋骨(?)も見えてなんともユーモアたっぷりの不思議なジャケットです。

また西部ということにちなんだのだと思われますが西部劇の曲か2曲入っています。

1曲目のI'm an Old Couhand(俺は老カウボーイ)と4曲目のWagon Wheels。

どちらも西部劇の映画音楽です。

2曲ともシェリー・マンのウッド・ブロックのパターンが西部劇っぽくてとてもかわいいくてユニークな演奏になっています。

 

3曲目Come goneと6曲目Way out west はソニー・ロリンズのオリジナル。

2曲目Solitudeと5曲目There is no greater loveはジャズのスタンダード曲です。

 

全体に、初顔合わせの3人が一晩で作り上げたアルバムとは思えない密度の濃い演奏になっています。

ぜひ聴いてみてくださいね。

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1. I'm an old couhand
2. Solitude
3. Come gone
4. Wagon Wheels
5. There is no greater love
6. Way out west 

7. I'm an old couhand (別テイク)

8. Come gone(別テイク)

9. Way out west (別テイク)

 

[ Recording 1957年 コンテンポラリー]


Sonny Rollins (T.Sax)   

Ray Brown (Bass)   

Shelly Man (Drum) 

 

 

まさしくこのアルバムは元気の出る究極のジャズ名盤といえます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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