Full House / Wes Montgomery

マイルス・デイビス・バンドの黄金のリズム隊をバックに熱い熱いジャズを聴かせてくれるウェス・モンゴメリーのライブ録音アルバム


フル・ハウス+3

ウェス・モンゴメリーの親指奏法は有名です。ギターは一般的にピックで演奏しますがウェス・モンゴメリーはピックを使わずもっぱら親指で演奏しました。

プロのミュージシャンになる前、昼間は一般の仕事をしていましたからギターの練習は夜や夜中でした。そのため近所迷惑にならないように静かに練習しなければいけませんでした。そこで考えたのがピックを使わず親指で弾く奏法です。それが個性になりウェス・モンゴメリーの演奏スタイルになりました。

 

ウェス・モンゴメリーがギターの練習を始めたのは20歳からだそうです。プロのミュージシャンとしては楽器を始めるのがかなり遅かったんですね。

25歳でプロのギタリストになり仕事を始めてからも工場での仕事は辞められませんでした。8人の家族を養わなければならなったからです。

朝7時から夕方まで工場で働き、家に帰ってギターの練習をして夜はバンドの仕事に出かけるというハードな毎日だったようです。

彼は家族思いで働き者だったんですね。よくジャズミュージシャンにありがちな酒と女と麻薬みたいな悪癖とは無縁だったようです。

 

ウェス・モンゴメリーは1948年にライオネル・ハンプトン楽団に入ってプロのギタリストになります。2年間のツアー生活を終えて故郷のインディアナポリスに戻って来ます。そして1968年に45歳の若さで亡くなるまで故郷のインディアナポリスで暮らしました。死因は心臓発作だったそうです。

 

ギタリストとしての活動はわずか20年間でしたが数多くのアルバムを発表し多くのギタリストやミュージシャンに大きな影響を与えました。

 

1966年に「夢のカリフォルニア」というアルバムを出してからはイージーリスニング音楽に路線を変更しました。イージーリスニング音楽に路線変更する前はゴリゴリのモダンジャズでしたからこの路線変更にはファンの間で賛否両論ありました。

私は両方とも素晴らしいと思います。ジャンルが変わってもウェス・モンゴメリーのギターの演奏スタイルはやはりジャズです。

 

まさにこのアルバム「フルハウス」はどっぷりジャズの時代の代表アルバムですね。

ゴリゴリのモダンジャズファンにとってはウェス・モンゴメリーの路線変更は裏切られたような気持ちになったのかもしれませんね。

しかし路線変更した後もウェス・モンゴメリーの人気が落ちることはありませんでした。

ジャンルを超えてウェス・モンゴメリーのギターを多くの人が支持しました。やはりウェス・モンゴメリーのギターには魅力があるということなんでしょうね。

 

このアルバム「フルハウス」はカリフォルニア州バークリーにある「Tubo(ツボ)」というライブハウスでのライブ録音です。観客の熱い声援に臨場感があってその場にいるような気持ちにさせてくれます。

 

メンバーはテナー・サックスのジョニー・グリフィン、ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース、ドラムはジミー・コブと超豪華メンバーです。

特にピアノ・ベース・ドラムのリズム隊は当時現役のマイルス・デイビスのレギュラートリオです。凄い演奏になるに決まってます。

熱い熱いおすすめのアルバムです、ぜひ聴いてみてください。

 

演奏曲目

1. Full House
2. I've Grown Accustomed To Her Face
3. Blue 'N' Boogie
4. Cariba
5. Come Rain Or Come Shine (Take 1)
6. Come Rain Or Come Shine (Take 2)
7. S.O.S. (Take 3)
8. S.O.S. (Take 2)
9. Born To Be Blue

 

[ Recorded Live at Tubo,Berkeley 1962 Riverside Records]

 

演奏メンバー

Wes Montgomery(Gugtar)

Johnny Griffin(T.Sax)

Wynton Kelly(Piano)

Paul Chambers(Bass)

Jimmy Cobb(Drum)

 

まさにこのアルバムは元気のでる最高のジャズ名盤の一枚です!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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