Pithecanthropus Erectus 直立猿人/Charlie Mingus Jazz Workshop

奇才チャーリー・ミンガスアバンギャルド全開の名盤です


直立猿人

 

原題は「Pithecanthropus Erectus(ピテカントロプス・エレクトウス)」

邦題は「直立猿人」です。

 

1950年代始めころからチャーリー・ミンガスをリーダーにしたワークショップが行われていたようです。ジャズの勉強会ですね。

当時はビバップ・ジャズが全盛時代でしたが、ミンガスやミンガスを慕う若手先鋭ミュージシャン達はもっと新しいジャズをもっと革新的なジャズをと研究し挑戦し続けていました。コンサートを行いそして満を持して録音されたのがこのアルバム「直立猿人」です。

 

1曲目のアルバムタイトルでもあるPithecanthropus Erectus(直立猿人)はまさに革新的な音楽です。

どこまでがアレンジされたものかどこまでがアドリブなのかわからないほどに自然な流れを感じます。まさにアバンギャルド(前衛、革新的)な音楽です。

この曲には「進化」「優越感」「衰退」「滅亡」という4楽章からなるストーリーがあるそうです。

猿から「進化」して、人となって頭脳を持ち知恵をもち、他の種族への「優越感」から傲慢になっていき、そして「衰退」し、そしてやがて「滅亡」する、という意味でしょうか。

壮大なメロディーの部分、アドリブの部分、そしてキメの部分も多々あります。またご機嫌にスイングするビバップ・ジャズの部分もあり、前衛的な部分も垣間見えます。

そしてそのすべてに統一感があり自然の流れが感じられます。

身をまかせて聴くとなんとも穏やかな気持ちになれます。

 

2曲目のA Foggy Day(霧深き日)では突然都会の雑踏の音から始まります。霧の深い都会の景色でしょうか、2人のサックスの音を自動車のクラクションのように聴かせて想像力をかき立てます。もしかしたら自動車の排気ガスを霧になぞらえているのかもしれませんね。

やはりこの曲もビバップ・ジャズのご機嫌な部分もあり前衛的な部分もありです。

 

全体の主導権はもちろんチャーリー・ミンガスがとっているんですが、ミンガスの意思をメンバーが完璧に理解して演奏していることがよくわかります。ワークショップ(勉強・研究会)の延長ということなんでしょうね。綿密に計算された部分とその場の空気を大切にしたアドリブの部分のバランスが最高に心地いいです。

 

このアルバムはとにかく素晴らしい世界へ連れて行ってくれます。

まさに元気の出る至極のジャズの名盤の一枚といえます。

 

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曲目

1. Pithecanthropus Erectus
2. A Foggy Day
3. Profile Of Jackie
4. Love Chant

 

[ Recording 1956 Atlantic  ]

 

演奏メンバー

Chalie Mingus(b) 

Jackie Mclean(as) 

J.R.Monterose(ts) 
Mal WaldronMAL(p) 

Willie Jones(ds) 

 

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Jo + Jazz /Jo Stafford

パワフルでストレートで伸びのある歌声が聴けますジョー・スタッフォードの名盤中の名盤


Jo+Jazz by Jo Stafford

 

ジョー・スタッフォードの伸びのいい歌声が好きです。身体の中から絞り出されるようなパワーの塊のような歌声に励まされます。小細工のないストレートな歌に心動かされます。力ある歌声に明日への希望を感じます。

 

ジョー・スタッフォードは元々はクラシックの声楽家・オペラ歌手としてスタートした実力派シンガーです。

トミー・ドーシ楽団の専属歌手を経てジャズボーカル、ポップス歌手そして女優へと活躍の場を広げます。ラジオやテレビに引っ張りだこだったそうで相当な人気者だったようです。

彼女の力ある歌声はそういう経験から滲み出てくるものなんですね。

ジョー・スタッフォードは91歳まで生きて天寿を全うします。最後までパワフルライフを貫いたんだろうと思います。

 

まさにこのアルバムは元気の出る最高のジャズ名盤の1枚です。

 

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曲目

1. Just Squeeze Me (But Please Don't Tease Me)

2. For You

3. Midnight Sun

4. You'd Be So Nice To Come Home To

5. The Folks Who Live On The Hill

6. I Didn't Know About You

7. What Can I Say After I Say I'm Sorry

8. Dream Of You

9. Imagination

10. S'posin'

11.  Day Dream

12. I've Got The World On A String

 

[Recording  1960  Columbia Records ]

 

演奏メンバー

Jo Stafford(Vocals)

Johnny Hodges(Alt Sax)

Jimmy Rowles(Piano)

Russ Freeman (Piano)

Conte Candoli (Trumpet)

Don Fagerquist (Trumpet)

Ray Nance(Trumpet)

Mel Lewis(Drum)

 

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Cool Struttin / Sonny Clark

日本人の琴線に触れる何かがあるアルバム


クール・ストラッティン+2

 

「クール・ストラッッティン」とは「カッコよく気取って歩く」っていうか意味でしょうか。もっと奥に深い意味があるのかもしれませんけど。

ジャケット写真の綺麗な足の持ち主はデザイン事務所の事務員さんだそうで、たまたま撮ってみたら凄く良かってので採用したというのは有名な話。

 

もう一つ有名な話を。このアルバムは本国アメリカではさっぱり売れなくて相当売れ残ったそうなんですが、何故か日本では爆発的に売れたそうです。発売当時ジャズ喫茶でのリクエスト数がベスト3に入ったそうです。

何がアメリカ人に不評だったんでしょう?謎ですね。ソニー・クラークのピアノ自体アメリカでは評価されていなかったらしいのでそれも謎ですけど。バド・パウエルによく似ていたので二番煎じと受け取られたのかもしれませんね。

何にしろこの豪華メンバーでご機嫌なアルバムが本国アメリカに受け入れられなかったことは残念です。

ソニー・クラークはこの他にも数枚のリーダーアルバム(もちろん名盤)を残していますが、麻薬の過量摂取で31才の若さで亡くなります。

短かい活動期間でしたがリーダーアルバムはもちろんサイドメンとして参加したアルバムも多数あり沢山の名演を残してくれました。

死後になってやっとアメリカでも認められるようになり「クール・ストラッッティン」は今ではアメリカでも人気の名盤となっているそうです。

 

どの曲のどのメンバーも素晴らしい演奏を残していますが、私のお気に入りはドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズです。

2曲目Blue Minorで聞かせてくれるスネアドラムを使ったラテンパターンは鳥肌モノです。

3曲目Sippin’ At Bellsのイントロで聞かせてくれるドラムソロも逸品だし、4曲目Deep Nightの長いドラムソロはこれぞフィリー・ジョー・ジョーンズという何ともいえないエキサイティングで最高な演奏です。

 

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やはりこのアルバムも最高に元気が出る究極のジャズの名盤といえます!

 

曲目

1. Cool Struttin’
2. Blue Minor
3. Sippin’ At Bells
4. Deep Night
5. Royal Flush
6. Lover

 

[ Recording  1958 Blue Note ]

 

Sonny Clark (Piano)
Art Farmer (Tp)
Jackie McLean (A.sax)
Paul Chambers (Bass)
Philly Joe Jones (Drum)

 

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Blue Train / John Coltrane

ジャズの巨人ジョン・コルトレーンが唯一ブルーノートから出した渾身のアルバムです


ブルー・トレイン

 

ジョン・コルトレーンは長い下積み時代を乗り越え、やっと認められてマイルス・デイビスのバンドに加入します。しかし麻薬と酒に溺れてしまったコルトレーンはマイルスのバンドを退団(クビ)になってしまいます。

コルトレーンはその後セロニアス・モンクのバンドに加入します。モンクのバンドに加入したことがその後のコルトレーンの人生を大きく変えることになります。

 

モンクから徹底的に音楽理論を教わり、プレイも飛躍的に上達します。

モンクは演奏の途中で急にフラッといなくなることが常だったそうで、そうするベースとドラムとサックスというピアノレスのバンドになってしまいます。コルトレーンにとってコード楽器なしの演奏を延々しなければならなかった事が相当ないい経験になったようです。

 

また、麻薬と酒の悪癖を断ち切りクリーンな人生を歩むようになります。

それまでの麻薬と酒漬けだった人生を取り戻す為にと必死に練習したようです。

そしてコルトレーンは華麗なる復活を遂げます。

 

そしてそのタイミングでこのアルバム「Blue Train」が録音されました。

 

Blue Note Recordsというレーベルはマイナーレーベルです。しかし良いアルバムを作ろうという熱い熱い思いがある素晴らしいレーベルです。

ブルーノートはアルバムのレコーディングの為のリハーサルをじっくりやります。そしてそのリハーサルにもミュージシャンにギャラを支払います。今ではリハーサルをしっかりやるというのは当たり前です。しかし当時他のレーベルでは当日スタジオに集まってぶっつけでレコーディング本番のいうのは当たり前だったようです。やっつけ仕事ですよね。

ま、ある意味ではジャズにはそんな環境が逆に良かったということももしかしたら言えるかもしれません。一発勝負の集中力が新鮮で神がかった音を創り出したのかもしれません。そんなアルバムが後世に名盤として残っているのですから。

 

話は戻ってブルーノートのこのアルバムの為にコルトレーンはI'm Old Fashioned以外の全4曲を作曲しました。

ブルーノートがリハーサルをしっかりとしてくれるレーベルだったからこそ成り立ったレコーディングでした。リハーサルなしでは不可能だったかもしれません。

そこにはブルーノートのアルフレッド・ライオンとジョン・コルトレーンとの深い絆もあったようです。

 

コルトレーンの演奏はどの曲も素晴らしいです。堂々とした迷いのない演奏は最高です。

サイドメンも最高の演奏を残しています。

トロンボーンカーティス・フラー、トランペットのリー・モーガン、ピアノのケニー・ドリュー、ベースのポール・チェンバース、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ

みんな素晴らしい文句のつけようのない演奏です。

 

ちなみにこのアルバムの後コルトレーンはモンクのバンドを退団しマイルスのバンド復帰します。

 

この一枚はコルトレーンの人生の大切な過渡期に作られた歴史の証明的なアルバムといってもいいかもしれません。

 

間違いなくこのアルバム元気の出る至極のジャズ名盤といえます。

 

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曲目

1. Blue Train
2. Moment's Notice
3. Locomotion
4. I'm Old Fashioned
5. Lazy Bird

6 Blue Train (別テイク)
7 Lazy Bird  (別テイク)

 

[ Recording  1957 Blue Note ]

 

演奏メンバー

John Coltrane (T.Sax)

Lee Morgan (Trumpet)

Curtis Fuller (Trombone)

Kenny Drew (Piano)

Paul Chambers(Bass)

Philly Joe Jones(Drum)

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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4 , 5 & 6 / Jackie McLean

ジャッキー・マクリーンの溢れ出して止まらないアドリブ・ソロを存分に聞かせてくれるアルバム


4 5 & 6 by Jackie Mclean

 

アルバムタイトルの「4 , 5 & 6」は①カルテット(4人編成)、②クインテット(5人編成)、③セクステット(6人編成)の3パターンの編成を楽しめるアルバムという意味です。

 

カルテット(4人編成)での曲は、1曲目のSentimental Journeyと2曲目のWhy Was I Born?と5曲目のWhen I Fall in Loveの3曲です。

ピアノ・トリオにワンホーンというシンプルな編成ですね。

ジャッキー・マクリーンが自由奔放に気持ち良さそうに吹きまくっています。

特にSentimental Journeyは逸品です!

 

クインテット(5人編成)での演奏は3曲目のContourと6曲目のAbstractionの2曲です。

ピアノ・トリオとジャッキー・マクリーンにトランペットのドナルド・バードが参加しています。

Contourでのドナルド・バードのアドリブも軽快で心地よいです。

Abstractionはピアノのマル・ウォルドロンが作った綺麗な曲。マクリーンはあまりねっとりした吹き方はせず、メロディーを大切に綺麗に吹きあげます。その後ろでドナルド・バードは合いの手を入れつつ盛り上げています。

マル・ウォルドロンの落ち着いたアドリブもいいですねー。

 

そしてセクステット(6人編成)での演奏は4曲目のConfirmationです。

先のクインテットにテナー・サックスのハンク・モブレーが加わって6人編成になります。

大人数なので当たり前ですがこのアルバムの中で1番賑やかで一番盛り上がっています。

マル・ウォルドロンのアドリブも軽快です。

後半に繰り広げられる管楽器3人でのバトルも圧巻です!このバトルのがやりたかったが為にハンク・モブレーを呼んだのではないかと思ってしまいました。

最後のアート・テイラーのドラムソロもカッコいい!

 

このアルバムはまさに元気が出る至極のジャズ名盤の一枚です!

 

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曲目

1. Sentimental Journey
2. Why Was I Born?
3. Contour
4. Confirmation
5. When I Fall in Love
6. Abstraction

 

[ Recording 1956 ]

 

演奏メンバー

Jackie McLean (as)
Donald Byrd (tp)
Hank Mobley (ts)
Mal Waldron (p)
Doug Watkins (b)
Art Taylor (ds)

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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The Bud Powell Trio「バド・パウエルの芸術」 / Bud Powell Trio

ピアノの神様バド・パウエルの教科書的アルバムです


バド・パウエルの芸術

邦題は「バド・パウエルの芸術」

前半1曲目〜8曲目はバド・パウエル22歳の若さでレコーディングした曲。

後半9曲目〜16曲目はバド・パウエル28歳のほんの少し円熟した演奏です。

アナログLPレコードの時にはA面が前半の22歳の時、B面が後半の28歳の時という風になっていました。

6年の歳月を経たバド・パウエルの変化の歴史を物語るようなアルバムですね。

 

前半1曲目〜8曲目は1947年にレコーディングされたバド・パウエル初リーダー録音です。何故か録音してからしばらく経ってから発売されたようです。

そして9曲目〜16曲目は1953年の録音です。この録音を発売する時のタイミングで先の1947年の初リーダー録音の音源をくっつけて発売したようです。

 

1947年のバド・パウエルと1953年のバド・パウエルを聴き比べてみると6年間でかなり変化していることに気がつきます。

前半の22歳の時のプレイは若くてキレキレでパワフルです。ちなみにピアニスト的にはこの録音がビバップ・ピアノの教科書とされているようです。録音スタジオ等の違いやメンバーの違いが関係しているのかもしれませんがやはりこちらの録音の方が音の迫力と勢いがあるように思います。

 

それと比べて後半の28歳の時のプレイは少し落ち着いた余裕のある演奏に感じます。

前半の若い時の演奏には音を楽しむという感じはあまりなくてただただ理想の音に近づけるために突き進んでいるように聴こえますが、後半の少し歳をとった時の演奏は、力の抜き加減がわかってきたというか音を楽しんでいるように聴こえます。

これはどちらがいいとかいうことではなくて好みの問題でしょうが、私はどちらの演奏も感慨深く楽しめます。

 

ただおそらく事はそう単純ではないかもしれません。当時バド・パウエルは麻薬所持の濡れ衣を着せられて警官に頭をひどく殴打された後遺症で頭痛と神経障害にかなり苦しめられていたそうです。その痛みを和らげるために麻薬やアルコールの中毒になってしまって最悪の日々をおくります。今では考えられませんが、神経障害の治療に電気ショック治療をされたりとか大変な目にあったようです。

そういう事が原因で演奏にも良い時と悪い時の差が激しく現れるようになります。

22歳の演奏と28歳の演奏の違いはそういう身体の問題と関係があるのかもしれませんね。

バド・パウエルの演奏を紐解くにあたってはこの事も重要な鍵になるのです。

 

バド・パウエルは自分の身体の不調を克服する為や、もしかしたら身体の不調を忘れる為にピアノにのめり込んでいったのかもしれません。

 

バド・パウエルの演奏からはいつも何かと闘っているような音が聞こえてくるような気がしてなりません。

そしてもしかしたらその闘志がバド・パウエルを天才たらしめる動力なのかもしれません。

 

バド・パウエルの話になるとどうも熱くなってしまいます。

 

このアルバムはまさしく元気の出るジャズの名盤の一枚といえます!

 

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曲目

1. I'll Remember April
2. Indiana
3. Somebody Loves Me
4. I Should Care
5. Bud's Bubble
6. Off Minor
7. Nice Work If You Can Get It
8. Everything Happens To Me
9. Embraceable You
10. Burt Covers Bud
11. My Heart Stood Still
12. You'd Be So Nice To Come Home To
13. Bag's Groove
14. My Devotion
15. Stella By Starlight
16. Woody 'N You

 

[ Recording 1947(1〜8)&1953 (9〜16)]

 

演奏メンバー

Bud Powell (Piano)

Curly Russell ( Bass)  (track 1〜8)

George Duvivier (Bass)  (track 9〜16)

Max Roach (Drum)  (track 1〜8)
Art Taylor (Drum)  (track 9〜16)

 

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Somethin' Else / Cannonball Adderley

ジャズの帝王マイルス・デイビスの隅々まで気の行き届いた最高傑作「Somethin' Else」


サムシン・エルス

このアルバムはキャノンボール・アダレイのリーダーアルバムとなっていますが、最初の一音から最後の一音に至るすべてにマイルス・デイビスのリーダーシップを感じます。というか全ての音をマイルスが包み込んでいるといった方がいいでしょうか。

 

レコード会社との契約の問題でマイルス名義のアルバムを作れなかった為、ブルーノートは苦肉の策としてキャノンボール名義にしてアルバムを作りました。それがこのサムシン・エルスです。

マイルス救済のためとかいろいろと理由はあるんでしょうけど、やはりブルーノートはマイルスのアルバムを出したかったんでしょうね。

ご存知のようにブルーノートはコレと思った音楽には採算を度外視してレコーディングをする、ほんとうに音楽とミュージシャンを大切にするレコード会社です。

マイルスの魅力に惚れ込んだブルーノートのアルフレッド・ライオンは何としてもマイルスのアルバムを出したかったんだろうと思います。

そこで苦肉の策を使ったのではないかなと勝手に想像しています。

それほどやはりマイルス・デイビスの音楽は素晴らしい。

みなさんマイルス・デイビスの人柄のイメージってどうですか?

何となく傲慢でわがままでオレがオレがって感じしませんか?

でもこのトランペットの音を聞くと私には真逆に聞こえます。

音に対する意識は真摯で、美しい物を作ろうとする気迫と集中力を感じます。

「オレがオレが」っていうところは微塵も感じなくて、素直な心でただただキャンパスに絵を描くように音を紡いでいるように聴こえます。

そんな素晴らしい音とマイルスが創り上げるジャズにブルーノートのアルフレッド・ライオンは惚れ込んだんだと思います。私の勝手な推測ですけど・・。

 

1曲目はシャンソンの名曲をジャズの名曲にうまくアレンジしましたAutumn Leaves「枯葉」です。

2曲目はこれもジャズのスタンダード「Love for Sale」アート・ブレイキー節のアフロキューバンが時折顔を覗かせます。

3曲目はこのアルバムの題名にもなっていますSomethin’ Elseです。マイルスの曲を題名にすらところがまたマイルスへの敬愛の証でしょうか。マイルスとキャノンボールの2人の会話のようなやり取りが聴きどころです。

4曲目はブルースでOne for Daddy-O。みんないいですが特にハンク・ジョーンズのジャジーなピアノが聴きどころではないかと思います。

5曲目はバラードでDancing in the Dark。この曲が1番のキャノンボールの本領発揮の曲ではないでしょうか?

 

全体を通してマイルスのブレのない演奏はさすがに完璧ですねー、素晴らしい!

 

まさにこれは元気が出る最高のジャズ名盤アルバムの1枚です!

 

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曲目

1. Autumn Leaves
2. Love for Sale
3. Somethin’ Else
4. One for Daddy-O
5. Dancing in the Dark

 

[ Recording 1958 ]

 

演奏メンバー

Cannonball Adderley (A.Sax)

Miles Davis (Trumpet)

Hank Jones (Piano)

Sam Jones (Bass)

Art Blakey (Drum)

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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