Somethin' Else / Cannonball Adderley

ジャズの帝王マイルス・デイビスの隅々まで気の行き届いた最高傑作「Somethin' Else」


サムシン・エルス

このアルバムはキャノンボール・アダレイのリーダーアルバムとなっていますが、最初の一音から最後の一音に至るすべてにマイルス・デイビスのリーダーシップを感じます。というか全ての音をマイルスが包み込んでいるといった方がいいでしょうか。

 

レコード会社との契約の問題でマイルス名義のアルバムを作れなかった為、ブルーノートは苦肉の策としてキャノンボール名義にしてアルバムを作りました。それがこのサムシン・エルスです。

マイルス救済のためとかいろいろと理由はあるんでしょうけど、やはりブルーノートはマイルスのアルバムを出したかったんでしょうね。

ご存知のようにブルーノートはコレと思った音楽には採算を度外視してレコーディングをする、ほんとうに音楽とミュージシャンを大切にするレコード会社です。

マイルスの魅力に惚れ込んだブルーノートのアルフレッド・ライオンは何としてもマイルスのアルバムを出したかったんだろうと思います。

そこで苦肉の策を使ったのではないかなと勝手に想像しています。

それほどやはりマイルス・デイビスの音楽は素晴らしい。

みなさんマイルス・デイビスの人柄のイメージってどうですか?

何となく傲慢でわがままでオレがオレがって感じしませんか?

でもこのトランペットの音を聞くと私には真逆に聞こえます。

音に対する意識は真摯で、美しい物を作ろうとする気迫と集中力を感じます。

「オレがオレが」っていうところは微塵も感じなくて、素直な心でただただキャンパスに絵を描くように音を紡いでいるように聴こえます。

そんな素晴らしい音とマイルスが創り上げるジャズにブルーノートのアルフレッド・ライオンは惚れ込んだんだと思います。私の勝手な推測ですけど・・。

 

1曲目はシャンソンの名曲をジャズの名曲にうまくアレンジしましたAutumn Leaves「枯葉」です。

2曲目はこれもジャズのスタンダード「Love for Sale」アート・ブレイキー節のアフロキューバンが時折顔を覗かせます。

3曲目はこのアルバムの題名にもなっていますSomethin’ Elseです。マイルスの曲を題名にすらところがまたマイルスへの敬愛の証でしょうか。マイルスとキャノンボールの2人の会話のようなやり取りが聴きどころです。

4曲目はブルースでOne for Daddy-O。みんないいですが特にハンク・ジョーンズのジャジーなピアノが聴きどころではないかと思います。

5曲目はバラードでDancing in the Dark。この曲が1番のキャノンボールの本領発揮の曲ではないでしょうか?

 

全体を通してマイルスのブレのない演奏はさすがに完璧ですねー、素晴らしい!

 

まさにこれは元気が出る最高のジャズ名盤アルバムの1枚です!

 

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曲目

1. Autumn Leaves
2. Love for Sale
3. Somethin’ Else
4. One for Daddy-O
5. Dancing in the Dark

 

[ Recording 1958 ]

 

演奏メンバー

Cannonball Adderley (A.Sax)

Miles Davis (Trumpet)

Hank Jones (Piano)

Sam Jones (Bass)

Art Blakey (Drum)

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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