Fuego / Donald Byrd
これぞファンキー・ジャズ!ドナルド・バードの会心の一枚
Fuego by Donald Byrd
ブルーノートらしいカッコいいクールなジャケットです。
タイトルの「Fuego(フュエゴ)」はスペイン語で「火」の意味だそうです。
確かに火が燃えるように激しい演奏がくり広げられるこのアルバムを的確にあらわしているジャケットですね。
ドナルド・バードが頬杖をついている、何か企んでいるようなポーズも意味深で素敵です。
オリジナル・ライナーノートによるとこのアルバムではドナルド・バードはBbのピッコロ・トランペットを吹いているそうですが。本当かな?
「他のアルバムと聴き比べてみるとよくわかる」とも書いてありますが、私には普通のトランペットに聴こえます。
ドナルド・バードは牧師の子として生まれましたのでゴスペル音楽には小さい頃から慣れ親しんでいたんでしょうね。
このアルバムにもゴスペルの香りが漂います。
特に6曲目の題名Amen(エーメン)は教会で繰り返される言葉ですね。まさにゴスペルてす。
2曲目Bup A Loop。躍動感溢れるテーマと疾走感あるアドリブのタイム感がたまりません。暖かい音色とゆったりとしたバードのトランペットが素晴らしい。
3曲目Funky Mama。ジャッキー・マクリーンのどっしりと安定したブルージーなソロがたまりません。デューク・ピアソンのピアノも冴えています。
4曲目Low Life。バードの甘くて太い音色がやはり素晴らしくよく歌っています。切り込み隊長のようなキレキレのレックス・ハンフリーのドラムが超かっこいいです。
5曲目Lament。やはりこの曲が1番好きです。
同名の曲でJJ.JohnsonのLamentもありますが、全然違う曲です。ジェイ・ジェイ・ジョンソンの方は綺麗なバラードですがこちらのドナルド・バードの方は哀愁溢れるファンキー・ジャズですね。
Lamentとは哀歌という意味だそうですが、確かに何かもの悲しい感じのする曲です。もの悲しいんだけど何か賑やかな感じもする、心の琴線に触れる曲です。
やっぱりいい曲だなぁ。
これぞファンキー・ジャズです。
まさにこのアルバムは元気の出る究極のジャズ名盤の一枚です。
曲目
1. Fuego
2. Bup A Loop
3. Funky Mama
4. Low Life
5. Lament
6. Amen
[ Recording 1959年 Blue Note ]
演奏メンバー
Donald Byrd (tp)
Jackie McLean (as)
Duke Pearson (p)
Doug Watkins (b)
Lex Humphries (ds)
最後まで読んでいただきありがとうございました!